高血圧は勃起不全の危険因子といわれており、そのメカニズムの1つとして、末梢神経の動脈硬化の変化をともなって陰茎海綿体への血流を低下させるためと考えられています。治療していない高血圧症の15%の人が完全な勃起不全で、年齢訂正対照群の勃起不全の頻度9.6%に比較して高いことを報告しています。
高血圧の患者さんの合併症として、高尿酸血症、高脂血症や糖尿病などの冠動脈危険因子を持っている人が多く、また脳梗塞後遺症、虚血性心疾患などの心血管系合併症の既往を持っている場合も少なくありません。そのためバイアグラの処方に際しては、血液検査、胸部X線検査、心電図検査などを行い、心血管系のチェックをする必要があります。
特にNO供与剤や硝酸剤の使用の有無を調べることが大切です。薬剤を併用すると下手すると死亡する危険性があるので、絶対に避けなければなりません。高血圧症の治療には薬の治療が主ですが、多種類の血圧降下薬が使用されていることが多いです。これらの薬の副作用で勃起不全になることが多いです。